自閉スペクトラム症とは
- ①社会的コミュニケーション力の欠如、②行動・興味・活動様式の限局、の二つを主徴とする障害です。有病率は約1%程度と報告されています。
- 原因は不明ですが、自閉スペクトラム症を持つ人には遺伝子の変異や脳機能の通常とは異なる発達があり、育て方やしつけが原因でないことが多くの研究により報告されています。
- 自閉スペクトラム症の症状は、年齢、性別などにより様々です。症状は幼児期に顕著ですが、成長・経験・学習などにより目立ちにくくなることが少なくありません。したがって診断には現在の状態だけでなく、生育歴も大切な情報となります。
- 小さいうちは、行動・興味・活動の限局および感覚の問題に起因する特徴が目立ちます。社会的コミュニケーションの欠如に起因する問題は、年齢があがり集団行動に参加し、対人関係が複雑になる頃から目立つようなります。
①社会的コミュニケーション力の欠如とはコミュニケーションを円滑にする行動が少ない、または独特であることを指します。
②行動・興味・活動様式の限局とは行動・興味・活動のバリエーションが少なく、柔軟性が乏しいことや、感覚刺激に対して、過敏さや鈍感さ、過度の執着や興味を示すことを指します。
③症状についての注意点
自閉スペクトラム症の症状は様々であるため、人によって困っていることや度合いが異なります。特に他の発達症や知的障害、精神疾患などを併せ持っている場合には、注意が必要です。
自閉スペクトラム症のお子さんの母親(養育者)は一般のお子さんや他の障害のあるお子さんの養育者に比べてストレスが高いことが報告されています。子育ての相談できる/アドバイスをもらえることはストレス軽減に有効です。悩んでいる時、困ったときは、お住いの市町村の子育て相談窓口やかかりつけの小児科、または発達相談ができる病院にご相談ください。